建物の外壁補修もいずれ3Dプリンタが活躍!やあやあやあ

先日の分散修繕セミナーにご参加の方は、どうもありがとうございました。
年内は、
11月19日(月) 13:30-15:30
12月5日(水) 15:00-17:00 
を予定しています。
ご興味のある方は、以下もしくは当メール返信でお申し込みください。
https://form.run/@builo-s

さて、外壁の話の続き、今回は3Dプリンタのお話を。。
新築の建築に3Dプリンタを使用するのは恐いので十分に実績検証が欲しいですが、
外装部分の補修や追加であれば、3Dプリンタは使えそうです。
アメリカ では、すでに3Dプリンタ技術が、既存建物維持でも活躍しています。

▲▽▲フランク・ロイド・ライト建築の築77年建物

日本でも帝国ホテル等で知られるフランクロイドライトの建築で、

アメリカはフロリダの大学(Florida Southern College)に、
1941年-1958年の間に建てられ、まとめて「Child of the Sun」と呼ばれているフランクロイドライト設計の建物が11棟あります。
築年数でいえば、築60年ー77年。。。日本でも築50年の壁をはるかに超え、適切な分散修繕を続けていなければ難しい築年数です。

フランクロイドライト作品の場合は、建物設備インフラも大切ながら、「フランクロイドライト作品」を
「フランクロイドライト作品」たらしめている建物の外観も重要です。

ここの「フランクロイドライト作品」ですが、昔の職人が手作業で製作した
精緻な模様の入ったコンクリートブロックが大量に使われており、
ヒビが入って危ないからと、これを現在普通に作ろうとすると、すでに技術も失われており、莫大な費用がかかる。

▲▽▲予算はたった4800万円

と困り果てていたところに現れた3Dプリンタ

試してみると、卓上3Dプリンタで、さっくりと、同じ形の鋳型が再現できるのです。
鋳型ができれば、あとはコンクリートを流し込むだけ。
結果、従来考えられなかった低予算と早いスピードで、
フランクロイドライト設計建物の修繕工事が勧められています。

この低予算がどのくらい低予算化というと、
大学がこの3Dプリンタによるフランクロイド建築修繕プロジェクトで
調達した資金は、US$400,000- 日本円で4800万円。

建物規模と数を考えると、この金額どうでしょう。。

日本では、小さなマンションの大規模修繕でもこのくらいはぼったくられる。
つい最近も、
築45年の中野サンプラザが、建替え反対で当選した中野区長が、
改修に約32億円の経費がかかるからと、
隣の区役所と一緒に建設費221億円で建替えを決定したが、
上記のアメリカの例と比べて、この金額の馬鹿らしさは、一体なんなのだと思われますか?

この件、
英語しか情報が見当たらないのですが・・
https://www.smithsonianmag.com/arts-culture/rebuilding-frank-lloyd-wright-classic-3-D-blocks-180953007/
写真1枚目;建物・・懐かしいミッドセンチュリー建物
        (日本なら建設会社の凄まじい建替え営業を受けること間違いなしですが。。。)
写真2枚目;ひび割れやカケが目立つ既存のコンクリートブロック
写真3枚目:3Dプリンタで製作したい鋳型
写真4枚目:古いブロックの隣に入った新しい3Dプリンタ製ブロック

▲▽▲オランダでは3Dプリンタ建築賃貸住宅を建築中

ちなみに新築では、
オランダで世界初3Dプリンタ建築賃貸住宅の建設が進んでいます。
デザインは、こちら。
もう少し3Dプリンタが発達して、
こうした自由なデザインを、安価で手軽に取り入れられるようになると、
面白いですね。。。
(こちらは日本語です)

3Dプリンターがつくる未来の家、オランダで開発中…2019年に賃貸開始へ

▲▽▲既存ビル・マンション外壁塗装のヒント2つ

と、将来の話にため息をついているだけでは仕方がないので、
現実的なところで、
既存ビル・マンションの外壁を塗装する場合のコツを2つ

・「塗りこめる」こと、 
・ 色をよく考えること

単なる吹き付けでなぞるくらいでは、古い感は残ります。
特に現在の建物の色が白い場合、前と同じ白にすると、
すぐに汚れが目立つようになり、将来的にその後の塗り直しコストが高くなります。

今後のコストを考えるのであれば、色を使うことは、
特別費用をかけずに今後の修繕費用を下げる効果的なテクニックです。

色の選び方ですが、
世界的に建物の色は、その土地にある色が合うと言われています。
昔は、その土地の土を焼いたり、木を使ったり、石を使ったりしていたから当然ですね。
ちなみにヨーロッパでパステルカラーの建物が多い理由は、
緯度が高いあちらの空の薄い水色に合うからです。
なので、色を使いたいけれどどの色が良いかわからない・・・という場合は、
この土地は開発される前はどのようだったか・・と思い浮かぶ景色に出てくる色を選ばれると良いです

▲▽▲ セミナーのご紹介

セミナータイトル:

分散修繕で築50年の壁を乗り越える 

対象: 築30年以上中小ビル・マンション所有者様

内容:
1建物設備インフラ設備の延命更新とは
   外壁の大規模修繕ではない!建物の使用に欠かせない電気・給排水・防水・事故防止に必要なこと
2無理のない30年分http://blog.builo.jp/wp/wp-admin/post.php?post=319&action=edit散修繕の計画
   無理のない分散修繕計画と資金確保のための築古賃貸マーケティング、費用削減他、建物設備専門業者の選び方
 
講師;株式会社ビルオ 代表取締役 江本真弓
費用:無料

日時;平成30年
11月19日(月) 13:30- 15:30
   12月05日(水) 15:00- 17:00

場所;渋谷区渋谷1-17-1 TOC第二ビル (部屋番号はお申し込み確認後にご連絡をいたします。)

お申し込み; 当メールに返信もしくは
       お申し込みフォームにて https://form.run/@builo-s

建物にとって外壁はどのような意味があるのか?

さて、今回は、外壁です。

外壁をあまり話題にしたくない理由は、
外壁は設備ではなく建築業界の領域ですが、
営業宣伝があまりに先行していて、話の仕方が難しいからです。

ちなみに江本が当初、ビルは100年持つからちゃんと手入れをしようと言い始めた
最初の頃は、単なる外壁リフォーム会社かと思われることが多かった。。
「ビル100年を言う=外壁リフォーム」と思われたようで。

▲▽▲外壁は建物躯体ではない

しかし、外壁、は建物躯体ではありません。
外壁は、大切な建物躯体を守る役割(注1)を持つ塗装もしくはタイル等の仕上げです。

建物の、躯体は丈夫ですが、外壁の方は他の建物設備同様に、
40年もするとさすがに劣化する。

▲▽▲外壁に手入れが必要な理由

だから手を入れる必要があるが、
その主目的は、次の2つ。

・躯体の保護機能を回復する事
・外壁・外部設置物落下事故リスクをなくす事
  (看板・造作物を含む)

建物の見た目ももちろん大切ですが、
塗装屋や外壁リフォーム屋やリノベ屋の営業がやたら盛り立てるような
見た目を綺麗にする事では、決してない。

▲▽▲ヨーロッパの建物の見た目が素敵な理由は、意匠

ちなみにヨーロッパの古い建物の外観は綺麗ですが、
あれは機能美です。意匠です。
(意匠は、物品のより美しい外観、使ってより使い心地のよい外観を探求するものです。 )
童話に出てくるおとぎ話の街の建物は、
木のはりで建築技術が低かったから、はりを支える斜めのつっかい棒がたくさんあります。
(石造建築は、貴族の建てる建物だけです。)
地中海の真っ白な家は、暑さ対策です。他の色では夏、熱を吸収して家が暑くなるのです。

意匠は、先進国の要件とされ、
日本の伝統的なもの・建築の意匠デザインの美しさは世界に知られていましたが、
21世紀の日本は、意匠デザイン力(そのマインド)をどうして失くしたのか、
は、世界でも疑問に思われています。

▲▽▲外壁は語るから、仕上げとしての「見た目」は大切

と、またまた脱線しましたが、
建物の見た目も大切です。
人間も年をとると見た目にその人の生き方が現れるように、
「建物の佇まい」は、所有者の建物の持ち方をあからさまに語ってくれてしまいます。

・建物の手入れもできないネグレクトか(精神的な問題を表しますね。。)
・適切な業者に相談できず過少工事が多い弱虫か 
・言われるままに過剰工事するカモか
はたまた、
良い建築士/施工会社と相談して良い仕事をしてもらうことができる所有者か。

をいわずもながで語るのだから、仕上げとしての「見た目」も大切です。
ただし、あくまでも意匠として。目的ではない。

ということで、次回も外壁話の続きです。。

▲▽▲補足:鉄筋コンクリートの劣化とは
鉄筋コンクリートが劣化する、とはどういう事か。

鉄筋コンクリートのコンクリートは、高アルカリ性で、
中の鉄筋の錆を防ぎ、長く強度を保ちます。
ところが、コンクリート表面が、紫外線で劣化する。
寒暖の差でコンクリートが微妙な伸び縮みを繰り返しているうちに、
表面に亀裂が入る。
亀裂が大きくなり、コンクリート内部に空気中の二酸化炭素(CO2)が入るようになると、
コンクリート内部が炭酸化反応して中性化する。
中性化したコンクリートの中の鉄筋まで雨が染み込むようになると、
鉄筋コンクリート内部の鉄筋が、錆で膨張し・・・、後はご想像の通り
鉄筋コンクリートが崩壊。

ちなみに中国等の他国で時々聞くビルの倒壊は、設計が悪く建物強度が足りないため。
日本の建築基準法ではあり得ない。
あれば、それは相当の違法・手抜き・ごまかし建築だから、
本来あるべき鉄筋コンクリート寿命とは別の話。

つまり、巷にはコンクリート寿命60年説が出回っていますが、
(前は40年でしたが、最近築40年超建物が増えて、今は60年らしい。
20年後は80年と言い出す人が増えるのか??)
外壁保護をしっかり行っていれば、鉄筋コンクリートがたったの
60年やそこらで寿命になったりは、
決してありません。

▲▽▲ セミナーのご紹介

引き続き、無料分散修繕セミナーを開催しています。
ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

セミナータイトル:

分散修繕で築50年の壁を乗り越える 

対象: 築30年以上中小ビル・マンション所有者様

内容:
1建物設備インフラ設備の延命更新とは
   外壁の大規模修繕ではない!建物の使用に欠かせない電気・給排水・防水・事故防止に必要なこと
2無理のない30年分散修繕の計画
   無理のない分散修繕計画と資金確保のための築古賃貸マーケティング、費用削減他、建物設備専門業者の選び方
 
講師;株式会社ビルオ 代表取締役 江本真弓

費用:無料

日時;平成30年
11月06日(火) 18:30- 20:30
11月19日(月) 13:30- 15:30
12月05日(水) 15:00- 17:00

場所;渋谷区渋谷1-17-1 TOC第二ビル (部屋番号はお申し込み確認後にご連絡をいたします。)

お申し込み; 当メールに返信もしくは
       お申し込みフォームにて https://form.run/@builo-s

設備工事は事例紹介が難しい

先日の「分散修繕」セミナー第一回目を開催しました。
ご多忙の中ご参加いただきました方には、誠にありがとうございました。
時間配分が悪く恐縮でした。次回は改善します。

ところで、当ニュースレターでは、
建物の最重要基本インフラである電気・給排水周りについて、建物が古くなると何が必要か、の話が続き、
それだけで随分なボリュームでしたが、(単に要領が悪く脱線が多いともいうが・・)
セミナーでは、それを整理すると共に、
バックボーンとなる考え方と全体像の説明にも力を入れています。

▲▽▲ ビル・マンションというものは、

分散修繕の基本の価値観として、

「ビル・マンションは、丈夫な躯体を生かし、建物設備の延命更新を繰り返し、時代に合わせた機能を提供しながら、長く使うもの。」

という世界で一般的な認識があります。

そのために、大資本ではない一般の中小ビル・マンション所有者が無理なく行なっている方法が、

分散修繕

です。

分散修繕という言葉事態は感覚的にわかると思いますが、
多くの日本人にとって、初めての経験となるのが、

「建物設備の延命更新」

です。

▲▽▲ 建物設備の延命更新というものは、

建物設備の延命更新は、通常の修繕とは違います。つまり取り組み方、判断の仕方、相談相手等全てが違います。

また建物設備・・・は建築の一部ではありません。特に建物が古くなると、建築好みの見た目を綺麗にする話ではなく、
建物の使用に欠かせない基本インフラ機能を提供する建物設備に向き合わなければいけない。

こうした区別が付いていなければ、
なかなか事例を真似しようにも、上手くいかないため、
セミナーでは、こうした全体感を持っていただけること目指しています。

もちろん理論だけでは、ふわふわしているので、
事例のご紹介を増やしていきますが、
設備工事の事例紹介は、難しい。。。

▲▽▲ 漏水事故が多発しているビル

先日もとある築50年の飲食店舗が多いビルで最近漏水事故が多いというオーナーに、
ビルは大丈夫だけれど、場合によっては排水管は全交換が必要なのかもしれませんよ。という話をした。

このビルでは今までも言われるままに、部分部分の交換をしているそうだ。
残念ながら菅の下手に継ぎ接ぎすると、
1 「必ず」別の場所から漏水が吹き出す。
2 地震で後からつけた継手が緩み、漏水を起こす。
という相応の経験豊富な配管業者であれば常識、としていることを知らない
水道工事業者が、対処療法を重ねてきたらしい。

漏水問題はわからないことも多く、
解決も簡単ではないのだが、
今までの水道工事業者で根本解決ができていない以上、
もう少し根本解決を考えてくれる専門業者に相談をしなければ、
話が始まらない。

ところがこうした問題対応の難しさに、
実は、そうした対処療法レベル水道工事業者の方が、
長年小まめな対応でオーナーの心と依存心をガッチリ掴んでおり、
同様の漏水問題が形を変えて何度も発生するという根本問題に対して、
自ら対応する意識が育ちにくいことがある。

▲▽▲ 事例をどう見ることができるか

ともあれ、話をすると、
このビルオーナーは次に
「事例を見たい」とおっしゃる。

このオーナーはインターネットをしていないので、
ネットで分譲マンション事例を見ることができない。
事例しかないのだが、

建築系の改装やリフォームと違い、
建物設備工事は、外から見てわかるものが少ない。

給排水管は、最近更新で、パイプスペースが難しく、
建物外につけるケースが増えてきているが、
なぜ、「外につけざるを得なかったのか」
個別の事情と判断理由は、見ただけではわからない。

大型ビルでは、時々ビルオーナー団体向けに見学会を行うところがあるが、
設備管理がバッチリの大型ビルの事例を見ても、
自ビルでどうできるかを想像するのは、難しい。

施工会社であれば、施工事例を解説付きで見せてくれるが、
この方が望むのは、そうした施工会社に相談するかどうか、
の判断材料として、事例を求めている段階だ。

それ以外でどうやって事例を見ることができるかといえば・・・、
私は逆に聞き返してしまいました。

「もし、◯◯さんが排水管交換の工事をして、それで知らないビルオーナーが見せてくれと言われて、
◯◯さんは見せますか?」と。
すると、「テナントのところは無理でしょう。」と即答される。
そうなのです。

またそれでなくとも、設備工事の場合、私の経験でも、
工事が終了した段階では、やったー成功したーとは決して思わない。
工事後しばらくは、問題が出てきませんように・・・、と
工事前よりよほどドキドキして暮らす。
1年2年たっても、まだまだわからないぞ・・という思いがあり、
聞かれれば説明はするが、積極的に披露する気にはなれない。。

VR(バーチャルリアリティ)を組み合わせて、
何をどうしたかが俯瞰できる仕組みを作ることですが、
それは多少時間がかかるので、
まずは、どうにかご紹介の仕方に頭を悩ませています。。

ご提案がある方や、ご自身の事例を見せて構わないと思われる方は、
ぜひ江本にお声がけをください。。。

よろしくお願いいたします。

▲▽▲ セミナーのご紹介

セミナータイトル:

分散修繕で築50年の壁を乗り越える 

対象: 築30年以上中小ビル・マンション所有者様

内容:
1建物設備インフラ設備の延命更新とは
   外壁の大規模修繕ではない!建物の使用に欠かせない電気・給排水・防水・事故防止に必要なこと
2無理のない30年分散修繕の計画
   無理のない分散修繕計画と資金確保のための築古賃貸マーケティング、費用削減他、建物設備専門業者の選び方
 
講師;株式会社ビルオ 代表取締役 江本真弓

費用:無料

日時;平成30年
11月06日(火) 18:30- 20:30
11月19日(月) 13:30- 15:30
12月05日(水) 15:00- 17:00

場所;渋谷区渋谷1-17-1 TOC第二ビル (部屋番号はお申し込み確認後にご連絡をいたします。)

お申し込み; 当メールに返信もしくは
       お申し込みフォームにて https://form.run/@builo-s

今度は免震・制振装置の検査データ偽造問題だそうだ

ビルオの江本です。

ここのところ、KYB社の
地震などによる建物の揺れを抑える免震・制振用オイルダンパー装置の
検査データ改ざん問題が、発覚して騒ぎを引き起こしています。
具体的には、大臣認定仕様と異なる材質のピストン、パッキン、塗料を使用していたという。

免震・制振用オイルダンパー装置は、特に免震の場合躯体下に挿入し、
躯体と一体となり、地震時の揺れを吸収する装置です。
パッキン、塗料はともかく、ピストンが信頼できないとなると、問題です。

しかもこのオイルダンパー装置は、官公庁や病院や観光施設といった、
下手な耐震補強で見た目を悪くしたくないけれど、
人が集まるから耐震対策が必須、かつ公共等予算がふんだんに取れる建物で
好んで使われていましたから、
まあ、問題は軽くありません。

しかし、偽造問題は、度々起こりますね。。。

▲▽▲ 日本の耐震系ビジネスの問題

江本はビル・マンションは100年持つよ、として、
建物設備の延命更新の重要さを強調していますが、
旧耐震基準建築については、
早くから旧耐震基準建物でも、
耐震診断も無理に受ける必要はないと言っています。

それは、震災を甘く見ているのでは決してなく、

理由は、「耐震診断」の「信頼性」が低いからです。

新耐震基準建築物の方も、新耐震基準建だから大丈夫ということはなく、
構造計算の偽造問題も、姉歯事件に代表されるように何度も出ていますが、
そんなのは氷山の一角です。

結局、問題は、大震災対策を、

単なる「恐怖商法」に変える業者がおり、

それをチェックできない建築業界の甘さがある。

「地震対策」と言う葵の紋章を手に入れて、
ちょっと怠けすぎましたね。

「耐震診断」「免震・制振」を言う業者のその言葉の信頼性が、
仕組みとしてどれだけ担保できるか、が
最初から「無い」ので、こうした事件が起こることは想像難くなく、
だから江本は、長い目で見て通用しない
現在の「恐怖商法」ビジネスに、個人が乗る必要はないと考えてきました。

問題は、業者だけではなく、「恐怖商法」に簡単に踊る日本人の甘えもあり、
根深いので、個人レベルでは付き合わないのが一番利口です。

▲▽▲ 自分の個別判断を信じよう

本来あるべきは、
そうした恐怖商法ビジネスに踊るのではなく、
個別判断で、所有ビル・マンションの
建物の形状や見た目の「硬固さ」、立地条件を考慮して、
リスクを判断することです。

とはいえ困ったことに、本来そのアドバイスをもらうべき専門業者の方が、
旧耐震基準=建替、または耐震補強
で凝り固まって、個別判断ができないため、難しいのですが。。。

難しいですが、
自分の所有するビル・マンションを
掛け替えのないオンリーワンの存在として、
個別の判断が最もできるのは、所有者ですから、
そこは、自分の判断を信じましょう。

▲▽▲ 判断力を向上する基礎的な考えを

さて、来週のセミナー準備の
資料を作成していますが、
相変わらず気がつくと細かい説明が増えては、
ボリュームが多くなりすぎるとよくない、と我にかえり
方向修正が続いています。。。

築50年クラス建物に必要な工事例を
紹介すれば良い、と言われればそれまでですが、
やはりビルオは、
それを考えるための基礎となる考えも伝えたいので、
最低でも、簡潔でも、

・修繕と延命更新の違い、
・建築と設備の違い、
・設備寿命の判断の仕方
・設備の重要度/優先順位の考え方
・現在のトレンド
・資金を捻出するための築古経営のポイント

もざっと伝えたい・・と欲を張っています。

ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせ・お申し込みをください。

▲▽▲ セミナーのご紹介

セミナータイトル:

分散修繕で築50年の壁を乗り越える 

サブタイトル;ビル・マンション100年時代に向けて・・・

対象: 築30年以上中小ビル・マンション所有者様

内容:

1建物設備インフラ設備の延命更新とは
   外壁の大規模修繕ではない!建物の使用に欠かせない電気・給排水・防水・事故防止に必要なこと

2無理のない30年分散修繕の計画
   無理のない分散修繕計画と資金確保のための築古賃貸マーケティング、費用削減他、建物設備専門業者の選び方
 
講師;株式会社ビルオ 代表取締役 江本真弓

費用:無料

日時;平成30年
10月23日(火) 15:00- 17:00
11月06日(火) 18:30- 20:30
11月19日(月) 13:30- 15:30

場所;渋谷区渋谷1-17-1 TOC第二ビル (部屋番号はお申し込み確認後にご連絡をいたします。)

お申し込み; 当メールに返信もしくは
       お申し込みフォームにて https://form.run/@builo-s

ビルは丈夫な躯体を生かして設備更新をしながら長く使うもの2

さて、元のお題に戻り、
「鉄筋コンクリート造ビル・マンションは、丈夫な躯体を生かし、
寿命の短い建物設備の延命更新を繰り返し、時代に合わせた機能を提供しながら、
長く使うもの」

という価値観を

1どうして日本は取りれれられなかったのか?
2本来は、誰が日本に紹介すべきだったのか?

どう考えられましたでしょうか?

▲▽▲ 2本来は、誰が日本に紹介すべきだったのか?

先に 2本来は、誰が日本に紹介すべきだったのか?を少し考えて見ると、

●建築士?
建築士は、建築物の設計及び工事監理を行う職業の資格だが、維持管理のプロではない。
もっと言えば、作品を引き渡してしまえば、建築士の責任外、と言えば無責任に聞こえるが、建築士が手出しできる範疇では無い以上、そこに興味を持てという方が酷だ。

●建設会社?
これも同様だが、請負工事で建設した建物を引き渡してしまえば、瑕疵担保や防水保証対応はあるとはいえ、その建物がその後どのように維持管理されるかは、彼らの仕事の外になる。
作った以上メンテナンスも責任持てと言いたいが、それで分譲マンションが12年毎に大掛かりな大規模修繕をした挙句、40年50年でやはり老朽化だの修繕資金が無いだの言っている日本では、その責任は求める方が危険すぎる。

●税理士?国税庁?金融機関?
国税庁は固定資産税の償却期間を決める関係上、もっと欧米のビルを研究しておけ、と言いたいのは山々だが、研究の結果償却期間が長くなれば、それだけ減価償却の旨味がなくなるのが、良いか悪いかの判断は簡単では無い。

●不動産業者
日本の不動産業者は、「不動産の相談は不動産業者へ」と土地も建物も不動産のことは何でも知っている凄い人風を装っているが、宅地建物取引業者は、その名の通り賃貸、売買の媒介ルールを知っている
(ここでは自己を抜いている)だけ。英語では Agency。建物のことは知らない。そもそも不動産業者が千三つ屋と呼ばれた理由の一つが千に3つしか本当の事を言わない。と実しやかに言われた程、???な業界を何でも信じては、

●建物管理会社(プロパティマネージャ)
ビルオーナーで管理会社も経営されている方がここを追求するのはあくまでも管理会社の経営出会って、残念ながら建物管理会社(プロパティマネージャ)は所有者とは違うから、ここも期待できない。
つまり、所有ビルを40年で売却するか100年持ち続けるかは所有者の問題であり、プロパティマネジメントは存在するビルの現在の賃貸と建物管理に、ベストを尽すのみなのだ。
だからプロパティマネジメントの本場欧米で、アセットマネジメントとプロパティマネジメントが別々になっている。

●デベロッパー
デベロッパーは開発と所有の両方を行うから、所有ノウハウを一番持っている。が、大資本の彼らは一般中小ビルに対しては、うちに土地を売って再開発させてくれ、の立場だから、長期所有の協力は期待できない。

●国土交通省役人?大学教授?
望ましくは、でしたが難しいことも理解できる。というのはこうした立場の人間は、とかく観察者の立場だ。
そして日本でも、皆さんがビル・マンション所有を吹聴して回らないように、欧州の所有者も、個人資産の話は、そう簡単に話す話題ではない。自分の資産は自分で守る意識の強いからよりガードが硬い。だから難しい。

とすると他に誰がいるのか?

▲▽▲ 日本で必要としている人

欧米のビル・マンションは長く持つもの、という価値観を、本来は、誰が日本に紹介すべきだったのか、といえば、

●ビル・マンション所有者、ご自身

です。他に誰がいるでしょう。

他は皆、古いビル→建替→新しいビル の方が仕事になる。お金になる。
リスクと負債を背負うのは唯一所有者。リスクと負債以外の
「古いビル・マンションを長く(収益のある状態で)持つ」オプションに直接利益があるのは、
所有者ご自身です。

▲▽▲ 1のどうして日本は取り入れられなかったのか?

そこで1のどうして日本は取り入れられなかったのか? といえば、

まあ、建替えができた高度経済成長期が長く続いたから、そこまで考える前にまず建てろ、だったことはしかがないでしょう。

▲▽▲ 問題はこれからどうしたいか。

過去は過去として、問題は現在。

建替えは、先行き不透明な時代にはリスクが高すぎる。
売却・再開発は負け。自分で取得した土地ならまだしも相続した土地であれば「自分は美田を受け取り子孫には美田を残さない。」負けだ。

それらと長く収益を維持して持ち続ける安定とどちらが良いか。

建替えや売却は、一言いえばすっ飛んで来て手取り足取り手伝ってくれる人はいるが、
所有ビル・マンションを長く(収益のある状態で)持たせる事に関しては、残念ながらそういう人がいない。
所有者の意思と努力が必要だ。

だから能動的に情報を求める。周りの関係者にもそれを要求する。
難しい、と言われれば、それはその人はno ideal程度に捉えて、次に当たる。
をしなければ、全く受け身でビル・マンションの経営を続けられるほど甘くない。ことは欧米を見てもわかる。

日本では築50年以上中小ビル・マンションの維持は、まだ実績の少ない未知のフロンティだから、
フロンティスピリッツを持てば、逆に創意工夫ができて面白いのではないでしょうか。
でも実績ある欧米の失敗しないコツの取り入れは、強くお勧めします。

ビルは丈夫な躯体を生かして設備更新をしながら長く使うもの

ビルオの江本です。

1日未明の台風の影響か、1日に
横浜のビルで、外壁の装飾パネルが落下し、
通行人に直撃、通行人が亡くなる痛ましい事故がありました。
https://www.asahi.com/articles/photo/AS20181001004959.html
プロ所有のAクラスビルですが、業務上過失致死もあり得るとのこと。
見ると、そう古くはありませんが、
必要以上の装飾は、維持のコストと事故のリスクになるという
最悪の例となりました。

実は、私の家の近くでも、
台風による外壁落下事故がありました。
こちらは被害者はいませんが、築50年クラス雑居ビルで、
ずいぶん前に建物正面エントランス周り1F窓下まで、
大理石の大きなパネルを貼っていたのが、一枚落下です。
落下痕を見ると、元のリシン塗装の上にちゃんと下地処理をしていないようです。

▲▽▲バリューアップ改装の顛末▲▽▲

10年ほど前に、バリューアップ改装と称して、
築古ビルの正面ファザードに何かをつけて見た目を変える手法が流行りましたが、
よほど考えられたものでなければ、
好印象は長く続かない。
このくらいやれば、素晴らしいと思いますが。。。
https://www.archdaily.com/896930/how-to-make-a-facade-with-recycled-materials-16-notable-examples

ペイができるのは、
建物が注目を浴びること=賃料効果
の商業ビルのみです。ただ、
経済合理性が全てでもないので、余裕があれば日本のビルもどんどんやれば良いとは思います。

が、やるならば、同時に
維持のコストと事故のリスクを背負うことに対する自覚も持つ必要がある。

建築士が手を抜くのは、1時の気分か能力不足か、
しかしその後のリスクとコストも、結局所有者が負います。

それで何かあれば被害者ぶって腹が立つと、というのは、

かぼちゃの馬車事件で紹介をした、
・所有不動産の、先の収入および支出について現実的な感覚がない。 ・それより、目先の数字や聞こえの良い言葉に影響されやすい。 ・権威が大丈夫というから、という理由で自分で考えずに決めてしまう
の典型で、やはり所有者落ち度がある。

そこをある程度考えておくのが、ビルオーナーの仕事、です。
(そこが、プロパティマネージャ等とは違う)

ま、バリューアップ改装ブームに惑わされなかった、
ビルオーナーさんなら、なるべくシンプルにして無駄なことにお金を使わないのは、
当たり前では、思われるでしょう。
それが正しいです。

賃貸効果を出す方法は、お金をかけるバリューアップではありませんから、
やれることは他にたくさんありますからね。

▲▽▲ ビルは丈夫な躯体を生かして設備更新をしながら長く使うもの

と前置きが長くなりましたが、
築古ビル・マンションに必要な電気・給排水の延命更新の話を
しばらくダラダラして実例ご紹介を増やす前に、
改めて基本的な「ビル・マンション観」を確認したいと思います。

というのも、

「鉄筋コンクリート造ビル・マンションは、丈夫な躯体を生かし、
寿命の短い建物設備の延命更新を繰り返し、時代に合わせた機能を提供しながら、
長く使うもの」

が世界の常識です。
ここで世界とは、欧米だけではなく、カナダ・オーストラリアも含む程度でもなく、
中国をはじめとするアジア各国、中東、アフリカ、中南米も全て含んだ世界です。

に対して、日本だけが、
ビル・マンションを築40年築60年で寿命と言います。

日本は明治時代に西洋建築技術を輸入し、戦後高度経済成長期あたりまでは協調していたはずですがね。。
どうして違うのでしょうか。

そこで質問です。

技術とは異なる「ビル・マンション観」について、

1どうして日本は取りれれられなかったのでしょうか?

2本来は、誰が日本に紹介すべきだったでしょうか?

当事者として、真剣に考えてみてください。

かぼちゃの馬車事件から学習しておこう

ビルオの江本です。

最近話題のかぼちゃの馬車事件について、話題がホットなうちに、
ここから学習しておきたいことを整理しておきます。

▲▽▲カボチャの馬車事件とは▲▽▲

このカボチャの馬車事件、
色々ツッコミどころがありすぎですが、
要は、若い女性向けシェアハウス(実質アパート)を建築してサブリースで運営する会社が、破綻。
そこで発覚したスキームが酷かった。

この会社が、するが銀行と結託と結託して会社員等にフルローンを出し、
土地とアパート合わせて7000万円程度に、サブリース料金を乗せて1億4000万円のほぼフルローンで売りつけていた。
ちなみに返済は30年約3%で月67万円。
ところが、一部屋6万円15部屋30年サブリースの部屋が、実際はせいぜい2万円。
会社も破綻するが、その後オーナーがサブリース会社を変更しても、満室でも30万円に満たずローンも返せない。
売却しようにも、せいぜい4000万円。借金は返せない。

この問題では、融資をした「するが銀行」も内部融資書類が通るように書類改善をしていた事が発覚、創業家頭取の首が飛び、
投資をしてしまった人たち約700名も、銀行が審査したから大丈夫だと思って契約したのだと、債務減免を求めて集団訴訟。
みっともないことになっている。

▲▽▲今後はさらに困難▲▽▲

すでに赤字の所有者には申し訳ないが、
家具家電付きアパートでは、数年もたてば家具家電の修繕交換費や内装リフォーム費が加わる。
出入りが早いから、入居者募集経費もバカにならない。
アパートなら共用設備は少ないだろうが、10年20年たつと屋上防水や建物側の保守費用もかかる。
そうした泣きっ面にハチに直面した時、ほぼ持ちこたえられないでしょう。

どうもこれは氷山の一角らしく、アパート投資の融資書類改ざん問題が、他にも出てきているようだ。

しかしこれは、会社員がアパート建築投資をするから、などとは笑ってはいられない。

▲▽▲バブル末期の典型症状▲▽▲

不動産バブルが末期に、投資カモの対象が属性の悪い方に集中して問題が顕在化するのは、
日本の80年代バブル末期やアメリカのサブプライム問題と同じく定番。
こうした問題が出てくると、「東京オリンピックが近づき」そろそろか・・・と思う。

そして、問題のより本質を見れば、これは日本人が繰り返している定番問題で、
ビル・マンションオーナーの皆さんも、決して笑えない。

▲▽▲変わらない問題の本質▲▽▲

問題の本質は、
・所有不動産の、先の収入および支出について現実的な感覚がないこと。
・それより、目先の数字や聞こえの良い言葉に影響されやすいこと。
・銀行が大丈夫というから、という理由で自分で考えずに決めてしまうこと

分譲マンションにしろ、ビルにしろ、築40年弱で持ち続けるのが難しくなる理由が、「これ」だ。

少し前まで、銀行に勧められたから、と
建替え、売却を本気で検討し、実行された方も随分いらしたが、
「銀行が」「不動産屋が」「建設会社が」「デベロッパーが」言うからと、
資産に関する大切なことをいとも簡単に決めるビル・マンション所有者の話は、よく聞く。

古くなると、建物改修費が増える。

普通に想像力があれば当たり前だから、
特に修繕積立金制度がない、個人/法人所有ビル・マンションの場合、
だからこそ、間違えないよう、現実的で「正しい」方針を考えておくべきでしょうに、そんなプランはまず聞かない。
耳にするのは、どちらかというと、目先の流行につられて、リフォームやセキュリティカメラやら、本質的ではない避難対策の話が多い。

それでは、建物が古くなると難しくなるのは、自業自得でしょう。

▲▽▲欲しい情報を持っている人を探すことが重要だが▲▽▲

もちろん最初はわからないのは、当然ですが、そこで、
誰に相談するか、が大切だ。

私ごとですが、私がイギリスに留学した頃は、
日本人海外留学ブームで、しかし日本人同士で固まり英語が話せるようにならない問題がすでに指摘されており、
私も当初は、同類の英語が話せない日本人の輪にいたものの、確かにそんな感じだから、一人で
普通にイギリス人の中で暮らしている日本人を見つけては、コツを聞いて回り、後はその通りに実践したら、
ちゃんと自分も今に続くインターナショナルな友人たちに恵まれた。

不動産アセットマネージャになった頃も、通常はプロパティーマネージャ出身や建設業界出身者が強く、
私のような不良債権処理出身は、モノはわからない数字屋と思われがちだったが、
欧州感覚の私から見ると、不動産屋は単なる取引と賃貸の仲介屋(英語のAgency)、
建設業界は、あくまでも建築・工事に強みがある「工事屋」、どちらも「特別な時」に強みがあるだけで、
その間に広がる建物の所有とは異なるから、少し違う。
見渡して、生きているモノとしての建物と人が使っている建物としてのビル・マンションの特性を
一番よくわかっていたが、中卒地上げ屋の方々で、そうした方々の後をついてまわって、
実用的な勉強ができた次第。

いずれもコツは、先を現実的に考えて、欲しい情報を持っている人を、探すことでしょう。

と偉そうにいいつつ、私もいつも次の日を考えずに雰囲気に流されて深酒しては、
翌日に体調とお財布の両面で後悔する・・・など未だやっていますが。。

と脱線しましたが、 ビルオは、「先の収入及び支出」に対して現実的に考えるきっかけとして、 分散修繕計画を、一度取り組みをしてください!と心から思います。
それも状況が悪くなる前に。 そうした小さな行動が、どれだけ先の見通しが広がることか、ぜひ経験をして欲しいと思うのです。
そこでビルオは、10月から毎月5のつく日に、初回無料の分散修繕のご相談を開始します!(要予約)
秘密厳守で、必要とされる情報をお伝えできます。
どうぞ、お気軽にお問い合わせください。

綺麗な水を供給しよう。赤水漏水も注意。

前回、綺麗な水の供給の話のために必要なこと。
前回の屋上給水タンクの廃止以外の残り、赤水と給水管漏水がある場合について。

正直、水の問題は、ビルとマンションで大きく違う。
マンションは確実に問題が出るが、ビルはケースバイケースでしょう。

実際、私がアセットマネージャ時代に気がついた秘密の一つが、
従業員が男性ばかりのビルは、建物全体での水の使用量が極端に少ない!
トイレで水を流す数も少なく、給湯室など使わないでしょう。
もちろん築50年でも水のトラブルはゼロ。
しかしこればかりは、仕方がない。。。

▲▽▲赤水問題▲▽▲
常時でなくても、時々朝一番だけ、であっても、
テナントに赤水の苦情を言われると辛い。。。

問題が赤水だけであれば、赤錆除去装置が使える。例えば、
http://www.biowater.co.jp
これは、水質を変えて赤錆を黒錆にして、錆の原因箇所を塞ぐという。

装置を導入する場合の留意点は、
その後他の問題で給水管を交換する可能性の確認程度だろう。
もし他の理由で給水管を交換することになれば、
せっかく設置した装置が無駄になる。そこは気をつけたい。
予定はなくとも、
例えばこれから直結増圧式への変更を行う場合で、
古い菅野増圧後の耐性不安を指摘されて、給水管もついでに交換するケース等が該当する。
または一棟リノベーションをやるだとか。

▲▽▲給水管の漏水▲▽▲
こちらも嫌なトラブルの上位でしょう。
給水管縦菅の漏水をご経験されてる方いらっしゃいますか?
勢いよく水が吹き出すのを見るのは、心臓に悪い。。

最近は協力な防水テープで水を止めることは、できる。
https://odditymall.com/flex-tape
このFLEX Tapeは日本でも購入可能。
https://amzn.to/2xEka9G

が、漏水問題は、とかく一箇所を塞ぐと別のところから水がでる傾向があるので、
永遠に漏水といたちごっこを続けるのは、考えるに心臓に悪い。
建物を長く持つならば、どこかで腹をくくって、
テープで一時的に漏水を止めて時間稼ぎをしながらでも
資金を準備し、更新するしか根本解決が今のところない。
(3Dプリンタが使えるようになれ新しい方策が出てくるかもしれないが。。)

▲▽▲理屈はわかるが難しい▲▽▲

とはいえここまでで、
更新更新と簡単にいうな・・が感想でしょう。
パイプスペースが狭く変形で、新しい管を入れるのは無理、
もしくはアクセスがテナント専有部からしかない、
テナント専有部にかかるところに問題がある、
・・・

実際、建物設備延命更新ソリューションの難しさは、
一棟一棟異なる条件を、頭を使って個別対応が必要なところにある。

それでも悪くない事例は、今後ご紹介をしていきたい。

清潔な水を供給しよう。屋上給水タンクはもはや時代遅れ

天気が悪いとすっかり肌寒くなりました。
体調を崩されないよう、お気をつけてお過ごしください。

排水管の話をダラダラ続けてしまったので、
ここらで一度気を引き締めて、給水の話に。

▲▽▲給水タンクは直結増圧式給水へ▲▽▲
給水タンクを使用しているビル・マンションは、

給水タンク廃止、
直結増圧式給水への変更

を、いずれ計画が必要です。

地域によって、十分な水圧が取れず
直結増圧式給水が難しい場合もなきにしもあらずだが、
各水道局が、原則、直結増圧式給水への変更を推進しており、
適応地域は、年々広がっている。

▲▽▲綺麗な水を供給する▲▽▲
水道局が直結増圧式給水への変更を推進する理由は、

「綺麗な水」を蛇口に届けたい。

からに他ならない。
水道局が、取水した水をせっかく「浄水場」で綺麗にして、
「綺麗な水」を建物に届けても、
その「綺麗な水」が貯水タンクの中で、
汚染されてしまっては、元も子もなく、馬鹿らしい。

ビル・マンション所有者にとっても、
せっかく税金払って、
水道局に綺麗な水を作って届けてもらっているのに、
自ビル・自マンションでの水質維持のために、
貯水タンクの清掃点検コストを自分で負担するのは、
二重負担になり、馬鹿らしい。

直結増圧式であれば、双方の
ストレスと無駄がなくなる。というわけだ。

給水方式の変更工事は難しくないが、
同時に給水管も交換する場合は、多少金額がかさむため、
相応の準備が必要となる。

清潔な水の供給は、日本の自慢。
これができなくなれば、日本も途上国に逆戻り。
だから給水タンクの廃止は真面目に考えて欲しい。

▲▽▲高置給水タンクは震災時要注意▲▽▲
ちなみに給水タンク支持派(?)は、
東日本大震災の後も、給水タンクがあれば
震災時もしばらく水が供給できると言うが、
これは要注意。

実際東日本大震災の際に、
被災地の屋上給水タンク付きマンションで起った問題は、
震災後も水が出るので、上階がトイレを普通に使う。
実は排水管が損傷をしていて、排水が排出できず、
1Fのトイレからその汚水が吹き出す。。。
(食事中の方がいらしたら、申し訳ない。。)

もしまだしばらく、給水タンクを使用する場合は、
テナントに、
「震災時にはトイレの水を流さないでください。」
の周知をしておきたい。

▲▽▲東京都水道局の場合▲▽▲
と直結増圧式給水への変更の話へと戻るが、
東京都であれば、東京都水道局が、
直結切替え見積りを無料で行うサービスを行っている。
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/kurashi/chokketsu/mitsumori.html

また東京都水道局では、
給水装置工事工費表
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/kurashi/water_supply_e/pdf/20180401-01.pdf
給水装置修繕工事工費表
http://www.waterworks.metro.tokyo.jp/kurashi/water_supply_e/pdf/20180401-02.pdf
を公開している。
読むきは起こらないが・・・・、
見積価格に疑義があれば、確認に使える。

なぜ分譲マンションは、何度も大規模修繕をしているのにやはり築40年弱で修繕資金不足が言われるのか?

前回建物の給排水管工事業者を次の3つに分類して1と2のお話をしたが、3がありませんでした。

1 漏水補修、内装工事付随配管工事の専門業者
2 デベロッパー/分譲マンション大規模修繕の下請け等で建物配管工事の経験豊富な専門業者
3 全て対応する大規模修繕業者や建築系業者

理由があります。

▲▽▲3は勧めない

「勧めない」とは不穏な言葉ですが、
また最近分譲マンションでも排水管交換の事例が増えており、経験を積んでいる業者もいますが・・・・
しかもこちらも、基本は入居中工事。

基本は入居中工事。しかもファミリーだから、難易度は高い。

そこで経験を積んだ大規模修繕業者なら、相談できるか、といえば、

よほど資金に余裕のある方のみどうぞ。

▲▽▲大規模修繕工事という問題

分譲マンションは、羨ましいことに「修繕積立金」制度という非課税で修繕資金を残せる制度がある。
その修繕積立金額は、竣工時に施工会社が作成する「大規模修繕計画」をもとに算定されている。
だから、普通に修繕していれば老朽化しないはずだが・・・・・

分譲マンションは12年に1回大規模修繕工事をしている。

にも関わらず、何もしていないビル・マンション同様に40年弱で老朽化だとの修繕資金が足りない問題が続出している。

一体大規模修繕で何をしているのか?

潤沢な修繕積立金はどこに消えているのか?

説明する必要はないだろう。大規模修繕工事は儲かる。だから大規模修繕工事業者の数が多く、素人分譲マンションに12年に一度大規模修繕工事をするように仕向けた。

そのような儲かる=過剰サービス・水増し工事・不要でも工事させる、ことに慣れた大規模修繕工事業者に相談をすることが、どれだけ危険か、わかるだろう。

▲▽▲日本人の問題は、「建築」ありきなこと▲▽▲

ところで、最近私はようやく、日本人が建物を長く持てない原因に気が付いた。

「建築」と「設備」を混同しているのですね。

実は、江本はずっと疑問だったのですよ。。設備関連は、皆できている、わかっている、と言うわりには、わかっていずできていないのが。

江本の方は、あちこちで話をしている通り、最初にイギリス人やフランス人やドイツ人の友人たち(女性)が、20代のうちから、家族や自分で所有する古い建物の、ボイラーを交換、やら排水設備を交換、やら、配管の変更やら、屋根の修繕や外壁塗装もだけど、そうした設備や機能の延命更新・・・を、一つ一つ専門業者を探して交渉して依頼して仕事してもらい、結果を確認して最後に支払い、をやっているのをみてきたから、古い建物に携わるとは「そういうもの」感覚が頭の中に確立していて、そこに建築が絡むと言う発想が、全くなかった。。

欧米人など、自分で建物を建てる、と言うことは、一般人ではまずあり得ないので、建築業界とは一生縁のない人の方が、ほとんどですからね。

▲▽▲問題は建築の高利益体質▲▽▲

理由は、建築業界が主役ヅラしているからだとは、わかる。主役づらできる理由は、建築業界は高利益体質だからです。つまり沢山の工事をさせてフィーを抜くことを当然に考えている。だから維持に無関心。

同じ設備工事でも、直接設備業者に依頼すればその費用だけだが、下手な管理会社や建築士を通すと工事監理費20%追加だとか、工務店を通すと30%上乗せだとか。高さが半端ない。

また彼らが100年ビルといえば、それは高い材料を使った値段が高いビル以上ではなく、100年無償で修繕工事してくれる訳ではない。

建築業界が高利益体質であることは、つまり関わるとそれだけボッタクられる。
ま、昔のように、建築の職人を集める仕事をしてもらう、全てが人手だった時代ならば手間暇やリスクを含めて高利益は理解できるが、今やITとネットで仕組みは改善されてるにも関わらず、乗せるコストは乗せている。これはひどい。

その上、高利益体質の建築業界は、仕事を取るために多少の支出・サービスを惜しまない。プロの芸者級接待屋の建築業者に食いつかれたら、断るのも大変だ。

▲▽▲建築系業者に管の相談をするならば、自己責任でどうぞ▲▽▲

そうした体質の大規模修繕業者が、建物が古くなり設備工事需要が増えたので、自社で配管工を抱えて
自社施工できます、と言うところも増えてきたが、会社の基本感覚が、抱え込みボッタクリである以上、隙あらばそちらになる。

また、主流ではない専門工事担当者では、会社としての研鑽制度もないだろうから、自己修練頼みで実力もわならない。

こちらと付き合うのであれば、そうしたリスクは自己責任でどうぞ。としか言えない。