さて、今回は築古ビル・マンションのトラブルNo1 排水管です。
▲▽▲漏水事故が2年連続するようになった・・▲▽▲
例えばの事例です。
築45年の20世帯マンション。過去に入居者の問題で1回漏水事故があったが、 8年前に天井から水がポタポタ垂れて漏水が発覚した際、 排水管の接合部がサビで劣化しており危ないと指摘をされた。が、 でもスラブ貫通配管だから対応が難しいとも言われてそのまま。 ところが昨年、今年と同様の漏水事故が別々の部屋で発生。 今年はさすがに損害保険会社の鑑定人もまたですか?という冷たい目。 このまま漏水事故の回数が増えたらどうすれば良いのか?
さて。 どうすべきか。
▲▽▲現実に何ができるのか▲▽▲
困りますね。
理想は、入居者全員に一度立ち退いてもらって、リノベーションで全配管やり直し・・で問題一気解決ですが、現実には豪腕すぎ。
気にしない・・・も気は楽だが、最初からそう決め込むのは、良心が痛む。
中間案は、
テナントが退去して空室になったタイミングでできることを行うのが、妥当でしょう。
しかし気になるのは、過去の漏水時にきた水道業者には、難しいと言われていること。本当に難しいのでしょうか?
▲▽▲何ができるか考えてあることが大切▲▽▲
実施の決断は急ぐ必要はないが・・・(その理由は、次回ご紹介したい)
修繕業者がいう「難しい」は気にしなくて良い。それは、自分はやりたくない、程度の意味だからだ。
すでに漏水があるできることは
- 漏水を起こす継手を交換する
- 古い管と継手を交換する
- 新たに別の配管を作る
のいずれかしかない。しかし使用中ビル・マンションでは、メリットデメリット以前に、それぞれに難しい理由がたくさんつく。
▲▽▲考えてくれる専門業者と出会うために
具体的に現地の状況やテナントを考えみて、難しい理由をすべて比較検討した上で、どの方法が「まだ、ましか」を判断できるのは、その後施工する専門業者しかいない。いくらこちらこうしてくれと言っても、専門業者がそれはできない、と言えばやってもらえない。
従って考えてくれる専門業者探しが重要になる訳だが、本当に考えてくれる専門業者と出会うためには、所有者側も事前によく考えておかなければいけないことが1つある。
それは、
「予算」
だ。
この場合1部屋あたりいくら出せるか、一度にすべて工事するのでなければ、すべての予算を最初から準備しておく必要はないが、必要なタイミングで現実として出せる予算でなければ、意味がない。
大丈夫だと思っても、築古は他に課題が多いから、電気配線の交換その他も考慮する必要がある。
見栄を張って予算を奮発して始めたものの、途中で資金が足りず、排水管が交換できず漏水を何度も起こす部屋が混在しては、お金をかけたにも関わらず、面倒は永久になくならない。
だから現実的な予算計画は、大切です。
そしてこの予算を考えるのが、分散修繕計画です。