電気幹線・設備

さて、前置きに無しにすっきりと、築30年以上中小ビル・マンションが分散修繕を考える際の
検討対象No1 として電気幹線・設備のお話です。

▲▽▲電気のトラブルは怖い・・・・

高圧受電の場合は、電気主任技術者が付いて保安点検を受けているから大丈夫とお考えでしょうか?
低圧受電でも、たまに電気設備の定期調査がくるから大丈夫とお考えでしょうか?
高圧受電の場合、保守を受けるのはキュービクル内の変圧器まで、電気設備の定期調査で点検されるのは、分電盤等。

もちろんこうした電気設備は築30年でもトラブルリスクが高いからですが、
築50年となると、もっと全てが劣化する。

壁の後ろや天井裏の電気幹線;動力幹線及び電灯幹線、端末の照明器具、スイッチ、コンセント。

全てに漏電火災・停電リスクが高まります。

電気は予告無し(実際にはあるが普通には気がつけない)に一回のトラブルの影響が大きいため、現在生活に欠かせない「当たり前」インフラNo1の電気供給関係の全てについて、建物が40年−50年すぎると、ビル・マンション所有者は、「もれなく完全な」な更新を考えなければいけません。

▲▽▲まず電気配線の交換が当たり前
ところで余談だが、少し前にイギリス人の友人が、旦那さんの父親が亡くなり相続した家に住むことにしたと引っ越したが、引っ越しの前に電気の配線をまず全て交換したそう。

家といっても豪邸ではなく、普通のテラスドハウス(2階建がたくさん繋がっている)おそらく1920年代築だろうか。イギリス人だから、住みながらDIYで自分たちの家に作り変えていくやる気満点で、今まで住んでいた所有フラットは賃貸してDIY原資もバッチリ確保。で、電気だけは無ければ困るので、引っ越し前に配線交換の工事をしたとのこと。

この手の話はイギリス人からはしばしば耳にする。。

で今回改めてなるほど・・・と思ったのが、
相続の単位の建物の電気等のインフラ設備をリニューアルは、40年-50年前後毎。
ちょうどインフラ劣化時期で、理に適っている。

そしてもう一つ改めて感心をしたのが、
普通の人でも「まず電気配線を交換」と発想できる常識がある。ことだ。

▲▽▲建物を長く持つ文化の本領
日本では、欧州の石造建築文化vs日本の木造建築文化、として文字通り石と木の建築技術の問題と考えられがちだが、実際はそうではない。違いは、「古い建物に何をすれば良いか」が普通に「分かっている」か「分かっていない」かの違いでしかない。

欧州でも石造建築は、城か貴族の開発した街ぐらい。一般人は木造やレンガ、20世紀以降の鉄筋コンクリートの質も??も少なくなく、傾いた建物も珍しくない。

建物躯体が何「造」であろうと、建て替えという発想がないから、「建物設備を延命更新し、時代に合わせて使い勝手を向上させて使い続ける」感覚が、一般市民レベルで身に付いていて、「古い建物に何をすれば良いか」感覚的に「分かっている。」

建物躯体が何「造」であろうと、電気幹線や設備、給排水管・設備、(加えて欧州なら給湯とセントラルヒーティング)屋上防水等建物設備の寿命性能は同じ。各時代で要求される水準も同じだ。
ここに手を入れなければ建物は使えない。

▲▽▲古い建物をお金をかけ過ぎずに持てなければ
日本人も最近は古い建物のリフォーム、リノベーションが言われようになったが、まだまだ甘い。(まだまだ建設業界のカモすぎる)
日本人がふんわり考えるリフォーム程度は、先の例のイギリス人は何年も何年もかけて自分でDIYする。資金確保はあくまでも材料代。外に依頼するのは、自分ではできない建物設備工事がほとんど。

「古い建物に何をすれば良いか」が分かっているとは、言い換えれば、
最低限どこにお金をかければ、建物を活かせるか、が分かっている。
古い建物をお金をかけ過ぎずに持てるから、古い建物が負債にならず、それどころか
自分で手を入れて自分で自分の空間を作る自己実現の対象になる。

日本人も、
「最低限どこにお金をかければ、建物を活かせるか」をもっと考えた方が良いでしょう。

と、脱線が長引いたのでもう少し具体的なお話は次回へ続きます。。。。