設備工事は事例紹介が難しい

先日の「分散修繕」セミナー第一回目を開催しました。
ご多忙の中ご参加いただきました方には、誠にありがとうございました。
時間配分が悪く恐縮でした。次回は改善します。

ところで、当ニュースレターでは、
建物の最重要基本インフラである電気・給排水周りについて、建物が古くなると何が必要か、の話が続き、
それだけで随分なボリュームでしたが、(単に要領が悪く脱線が多いともいうが・・)
セミナーでは、それを整理すると共に、
バックボーンとなる考え方と全体像の説明にも力を入れています。

▲▽▲ ビル・マンションというものは、

分散修繕の基本の価値観として、

「ビル・マンションは、丈夫な躯体を生かし、建物設備の延命更新を繰り返し、時代に合わせた機能を提供しながら、長く使うもの。」

という世界で一般的な認識があります。

そのために、大資本ではない一般の中小ビル・マンション所有者が無理なく行なっている方法が、

分散修繕

です。

分散修繕という言葉事態は感覚的にわかると思いますが、
多くの日本人にとって、初めての経験となるのが、

「建物設備の延命更新」

です。

▲▽▲ 建物設備の延命更新というものは、

建物設備の延命更新は、通常の修繕とは違います。つまり取り組み方、判断の仕方、相談相手等全てが違います。

また建物設備・・・は建築の一部ではありません。特に建物が古くなると、建築好みの見た目を綺麗にする話ではなく、
建物の使用に欠かせない基本インフラ機能を提供する建物設備に向き合わなければいけない。

こうした区別が付いていなければ、
なかなか事例を真似しようにも、上手くいかないため、
セミナーでは、こうした全体感を持っていただけること目指しています。

もちろん理論だけでは、ふわふわしているので、
事例のご紹介を増やしていきますが、
設備工事の事例紹介は、難しい。。。

▲▽▲ 漏水事故が多発しているビル

先日もとある築50年の飲食店舗が多いビルで最近漏水事故が多いというオーナーに、
ビルは大丈夫だけれど、場合によっては排水管は全交換が必要なのかもしれませんよ。という話をした。

このビルでは今までも言われるままに、部分部分の交換をしているそうだ。
残念ながら菅の下手に継ぎ接ぎすると、
1 「必ず」別の場所から漏水が吹き出す。
2 地震で後からつけた継手が緩み、漏水を起こす。
という相応の経験豊富な配管業者であれば常識、としていることを知らない
水道工事業者が、対処療法を重ねてきたらしい。

漏水問題はわからないことも多く、
解決も簡単ではないのだが、
今までの水道工事業者で根本解決ができていない以上、
もう少し根本解決を考えてくれる専門業者に相談をしなければ、
話が始まらない。

ところがこうした問題対応の難しさに、
実は、そうした対処療法レベル水道工事業者の方が、
長年小まめな対応でオーナーの心と依存心をガッチリ掴んでおり、
同様の漏水問題が形を変えて何度も発生するという根本問題に対して、
自ら対応する意識が育ちにくいことがある。

▲▽▲ 事例をどう見ることができるか

ともあれ、話をすると、
このビルオーナーは次に
「事例を見たい」とおっしゃる。

このオーナーはインターネットをしていないので、
ネットで分譲マンション事例を見ることができない。
事例しかないのだが、

建築系の改装やリフォームと違い、
建物設備工事は、外から見てわかるものが少ない。

給排水管は、最近更新で、パイプスペースが難しく、
建物外につけるケースが増えてきているが、
なぜ、「外につけざるを得なかったのか」
個別の事情と判断理由は、見ただけではわからない。

大型ビルでは、時々ビルオーナー団体向けに見学会を行うところがあるが、
設備管理がバッチリの大型ビルの事例を見ても、
自ビルでどうできるかを想像するのは、難しい。

施工会社であれば、施工事例を解説付きで見せてくれるが、
この方が望むのは、そうした施工会社に相談するかどうか、
の判断材料として、事例を求めている段階だ。

それ以外でどうやって事例を見ることができるかといえば・・・、
私は逆に聞き返してしまいました。

「もし、◯◯さんが排水管交換の工事をして、それで知らないビルオーナーが見せてくれと言われて、
◯◯さんは見せますか?」と。
すると、「テナントのところは無理でしょう。」と即答される。
そうなのです。

またそれでなくとも、設備工事の場合、私の経験でも、
工事が終了した段階では、やったー成功したーとは決して思わない。
工事後しばらくは、問題が出てきませんように・・・、と
工事前よりよほどドキドキして暮らす。
1年2年たっても、まだまだわからないぞ・・という思いがあり、
聞かれれば説明はするが、積極的に披露する気にはなれない。。

VR(バーチャルリアリティ)を組み合わせて、
何をどうしたかが俯瞰できる仕組みを作ることですが、
それは多少時間がかかるので、
まずは、どうにかご紹介の仕方に頭を悩ませています。。

ご提案がある方や、ご自身の事例を見せて構わないと思われる方は、
ぜひ江本にお声がけをください。。。

よろしくお願いいたします。

▲▽▲ セミナーのご紹介

セミナータイトル:

分散修繕で築50年の壁を乗り越える 

対象: 築30年以上中小ビル・マンション所有者様

内容:
1建物設備インフラ設備の延命更新とは
   外壁の大規模修繕ではない!建物の使用に欠かせない電気・給排水・防水・事故防止に必要なこと
2無理のない30年分散修繕の計画
   無理のない分散修繕計画と資金確保のための築古賃貸マーケティング、費用削減他、建物設備専門業者の選び方
 
講師;株式会社ビルオ 代表取締役 江本真弓

費用:無料

日時;平成30年
11月06日(火) 18:30- 20:30
11月19日(月) 13:30- 15:30
12月05日(水) 15:00- 17:00

場所;渋谷区渋谷1-17-1 TOC第二ビル (部屋番号はお申し込み確認後にご連絡をいたします。)

お申し込み; 当メールに返信もしくは
       お申し込みフォームにて https://form.run/@builo-s

SNSでもご購読できます。

Leave a Reply

*

CAPTCHA