前回建物の給排水管工事業者を次の3つに分類して1と2のお話をしたが、3がありませんでした。
1 漏水補修、内装工事付随配管工事の専門業者
2 デベロッパー/分譲マンション大規模修繕の下請け等で建物配管工事の経験豊富な専門業者
3 全て対応する大規模修繕業者や建築系業者
理由があります。
▲▽▲3は勧めない
「勧めない」とは不穏な言葉ですが、
また最近分譲マンションでも排水管交換の事例が増えており、経験を積んでいる業者もいますが・・・・
しかもこちらも、基本は入居中工事。
基本は入居中工事。しかもファミリーだから、難易度は高い。
そこで経験を積んだ大規模修繕業者なら、相談できるか、といえば、
よほど資金に余裕のある方のみどうぞ。
▲▽▲大規模修繕工事という問題
分譲マンションは、羨ましいことに「修繕積立金」制度という非課税で修繕資金を残せる制度がある。
その修繕積立金額は、竣工時に施工会社が作成する「大規模修繕計画」をもとに算定されている。
だから、普通に修繕していれば老朽化しないはずだが・・・・・
分譲マンションは12年に1回大規模修繕工事をしている。
にも関わらず、何もしていないビル・マンション同様に40年弱で老朽化だとの修繕資金が足りない問題が続出している。
一体大規模修繕で何をしているのか?
潤沢な修繕積立金はどこに消えているのか?
説明する必要はないだろう。大規模修繕工事は儲かる。だから大規模修繕工事業者の数が多く、素人分譲マンションに12年に一度大規模修繕工事をするように仕向けた。
そのような儲かる=過剰サービス・水増し工事・不要でも工事させる、ことに慣れた大規模修繕工事業者に相談をすることが、どれだけ危険か、わかるだろう。
▲▽▲日本人の問題は、「建築」ありきなこと▲▽▲
ところで、最近私はようやく、日本人が建物を長く持てない原因に気が付いた。
「建築」と「設備」を混同しているのですね。
実は、江本はずっと疑問だったのですよ。。設備関連は、皆できている、わかっている、と言うわりには、わかっていずできていないのが。
江本の方は、あちこちで話をしている通り、最初にイギリス人やフランス人やドイツ人の友人たち(女性)が、20代のうちから、家族や自分で所有する古い建物の、ボイラーを交換、やら排水設備を交換、やら、配管の変更やら、屋根の修繕や外壁塗装もだけど、そうした設備や機能の延命更新・・・を、一つ一つ専門業者を探して交渉して依頼して仕事してもらい、結果を確認して最後に支払い、をやっているのをみてきたから、古い建物に携わるとは「そういうもの」感覚が頭の中に確立していて、そこに建築が絡むと言う発想が、全くなかった。。
欧米人など、自分で建物を建てる、と言うことは、一般人ではまずあり得ないので、建築業界とは一生縁のない人の方が、ほとんどですからね。
▲▽▲問題は建築の高利益体質▲▽▲
理由は、建築業界が主役ヅラしているからだとは、わかる。主役づらできる理由は、建築業界は高利益体質だからです。つまり沢山の工事をさせてフィーを抜くことを当然に考えている。だから維持に無関心。
同じ設備工事でも、直接設備業者に依頼すればその費用だけだが、下手な管理会社や建築士を通すと工事監理費20%追加だとか、工務店を通すと30%上乗せだとか。高さが半端ない。
また彼らが100年ビルといえば、それは高い材料を使った値段が高いビル以上ではなく、100年無償で修繕工事してくれる訳ではない。
建築業界が高利益体質であることは、つまり関わるとそれだけボッタクられる。
ま、昔のように、建築の職人を集める仕事をしてもらう、全てが人手だった時代ならば手間暇やリスクを含めて高利益は理解できるが、今やITとネットで仕組みは改善されてるにも関わらず、乗せるコストは乗せている。これはひどい。
その上、高利益体質の建築業界は、仕事を取るために多少の支出・サービスを惜しまない。プロの芸者級接待屋の建築業者に食いつかれたら、断るのも大変だ。
▲▽▲建築系業者に管の相談をするならば、自己責任でどうぞ▲▽▲
そうした体質の大規模修繕業者が、建物が古くなり設備工事需要が増えたので、自社で配管工を抱えて
自社施工できます、と言うところも増えてきたが、会社の基本感覚が、抱え込みボッタクリである以上、隙あらばそちらになる。
また、主流ではない専門工事担当者では、会社としての研鑽制度もないだろうから、自己修練頼みで実力もわならない。
こちらと付き合うのであれば、そうしたリスクは自己責任でどうぞ。としか言えない。