前回電気容量の話を書いたところで、以前にフランスで経験した「驚く」電気容量不足解決策を思い出してしまいました。これをご紹介したいと思います。。
▲▽▲洗濯機と食器洗い機が止まった▲▽▲
それはフランス人の友人宅に滞在していた時だった。
朝ゆっくりと起きて朝食を食べてようやく動き出した11時ごろ、洗濯機と食器洗い機が、両方止まった。 部屋のブレーカーは落ちていない。友人もわからない。 しばらくあたふたあちこち確認をしたがわからない。
とうとう友人が管理会社に問い合わせた。ら、
そのフラットでは、平日朝の11時から13時 は建物の清掃担当者が掃除や修理をするから、その間部屋の電気の一部を止めるのだとか。 なんだ、とあっさり言う友人。 建物の電気容量が足りず、過去にトラブルがあったのかもしれないが、 テナントの権利が強い日本では考えにくいその大胆?な発想!、 それを説明していなかった不動産屋!、 そこでアッサリ納得して怒らない友人の態度!、 当時は私はただただ????????で、日本ではあり得ない話、と思っていた。
▲▽▲テナントの損得は▲▽▲
が、今なら、最近の日本なら、あり得る。
もちろん日本では、
- 入居前に不動産屋が説明をしていること、
- それでも構わないと思える賃料の安さなり何かのメリットがあること
要はテナントが「騙された!損させられた!」と思わず、逆に「得した」と思えれば良いのです。
ちなみに上の例のフランス人の友人は、今まで平日昼間は仕事で部屋にいなかったから気がつかなかったそう。もともと賃料にお得感があったのかもしれない。。
▲▽▲バリューダウン▲▽▲
さて、このお話をご紹介した理由は2つあります。
まず1つは、これが、バリューダウンの事例ということ。
従来のリフォーム業者やら盛んに盛り上げたバリューアップ策(改装や何かをすれば賃料が上がる)が簡単にできると期待する人は、今やいないと思いますが、
安易に賃料が上がらな時代の築古ビル・マンションにとって、バリューダウンこそサバイバルの秘訣です。
つまり、多少賃料を下げてでも、「費用対効果が確かでない投資をしない」という引き算の発想です。
もちろん、
自ビル・自マンションの強み、選ばれるポイントを潰さないこと、が大前提であるのはいうまでもありませんが。
▽▲分散修繕で活用できるバリューダウン▲▽▲
もう1つの理由は、これが、分散修繕の事例にもなること。
建物全体の電気容量が足りない。しかし予算その他の事情から直ぐに電気幹線交換の工事はできない。場合、
建物としていずれ交換するとして、交換するまでの間の「繋ぎ」策として、バリューダウン
は、現実的な方策です。
目先だけ見るとバリューダウンは、建物ランクが下がったように見えるが、長期的な分散修繕のための一時的な「繋ぎ」を入れることで、建物は長く生きまた価値を上げることができる。
そうして、とにかく建物を長く持ち続けることが大切です。